確定申告

同一生計・白?青?専従者って何のこと?

確定申告でも、
年末調整でも、
相続税の申告のときなどにも・・・よく見かける専門用語があります。

意味が分かるようで分からない気がする「同一生計親族」

また、青とか白が付く「専従者」

これらの用語の意味をご説明すると共に、所得控除の要件はこれらの言葉が入り混じって分かりづらいため、1枚の表に要件をまとめてみました。

同一生計親族とは?

では、同一生計親族とは、どういう親族を意味するのでしょうか?

「生計を一にする」とは、納税者と有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいい、納税者がその親族と起居を共にしていない場合においても、常に生活費、学資金、療養費等を支出して扶養している場合が含まれる。
なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。
(国税通則法基本通達、第46条関係 9)

特別な理由がなければ、一緒に住んで生活を共にしている家族です。
別に住んでいても、遠方の学校や病院に入院するなどの理由により、一時的に別居している家族で、自分が生活費を賄っている親族も同一生計ということですね。

反対に、同じ家に住んでいても、二世帯住宅でキッチンやお風呂など別々、それぞれの家族が独立して生活を営んでいる場合は同一生計とはなりません。

しかし、一緒の家に住んでいる配偶者や親に所得がある場合でも、みんなで給与を出し合って共同で住んでいる場合には同一生計です。お父さんからでなく、同居のおじいちゃんから孫の扶養控除することは出来ます。(ダブル適用はできませんので、誰か1人の扶養として下さい)

また、遠方に住んでいるなど、仕送りを送っている両親について扶養控除を適用する場合は、その仕送りで両親が生活を賄っていると言える程度の金額であるかはチェックが必要でしょう。

専従者とは?

あなたが個人で事業(商売)をしており、かつ家族がその事業の手伝いをしてくれているのならば、一定の条件をクリアすれば、その家族の方は「専従者」となることができます。

専従者には、「青色専従者」と「白色専従者」がありますが、それは、あなたの確定申告の種類に起因しています。

青色専従者給与

あなたが確定申告を青色で申告しているならば、その家族の方を「青色専従者」とすることができ、支払った給料を、あなたの事業の経費とすることができます。
なお、その給料を経費にできる要件は下記の4つです。

要件

1.青色事業専従者に支払われた給与であること。
  (青色事業専従者とは下記の要件を満たす人)

  • 生計を一にする親族であること
    別生計の親族の方が働かれている場合は、他の従業員さんと同じ給与です。
  • その年の12月31日時点で15歳以上であること
  • 青色申告者の営む事業にもっぱら従事していること
    「もっぱら従事」とは、その家族従業員さんが働くことができる期間の半分(通常は半年)以上を、あなたの事業の仕事をしている必要があるということです。

2.税務署に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出していること。
  その青色専従者になる方が働き始めた日から2ヶ月以内に提出して下さい。
  すでに働いている方を青色専従者にする場合は、その年3月15日までに提出する必要があります。

3.届出書に記載した方法かつ金額の範囲内で給与を支払って下さい。

4.労務の対価として相当と認められる金額しか経費になりません。
  よって、週1回簡単な手伝いをする妻に月額30万円の給与を支給したなど、常識の範囲を超えると却下される可能性があります。

白色専従者控除

あなたが確定申告を白色で申告しているならば、その家族の方を「白色専従者」とすることができ、一定の控除額を、あなたの所得から引くことができます。

要件

  • 生計を一にする親族であること
    別生計の親族の方が働かれている場合は、他の従業員さんと同じ給与です。
  • その年の12月31日時点で15歳以上であること
  • その年を通じて6月を超える期間、あなたの営む事業に専ら従事していること。

控除額

下の1か2のうち、いずれか低い金額

  1. 配偶者86万円、それ以外の親族50万円
  2. この控除をする前の事業所得等の金額を専従者の数に1を足した数で割った金額
    要するに、自分を入れた家族従業員の数で事業の利益を割ったもの(一人当たりの利益)

確定申告書やそれに添付する収支内訳書に控除額を記載すれば、この控除の規定を適用できます。

そのため、会計処理が終わって、その年の利益を把握した後で、配偶者控除や扶養控除を適用するのか?、又は、この白色専従者控除を適用した方が良いのか?、後から有利選択をすることができます。(税法では以外とめずらしい後から有利選択です)

青色専従者と白色専従者の違い

青色専従者と白色専従者は、細かい部分で条件が違いますね!
大きな違いは、まず青色は給与の支給を要し、白色は要しないこと。
そして、青色は届出が必要ですが、白色は必要がないことです。

これだけ見ると白色の方が良いように感じられますが、白色専従者は控除に上限があるため、利益が出ている場合には青色専従者の方が絶対有利です。(給与86万円は安いですよね!)

青色専従者の給与は、「届出書に記載した金額の範囲内」ですので、超えてはいけませんが、低くても大丈夫です。

そのため、最初に届出を出すときは遠慮せず、ご自分の目標に達した時に、そのご家族へ支払いたい給与を記載しておけばよいと思います。

その他、「もっぱら従事」の部分が、青色は従事可能期間の半分なのに対し、白色は6カ月です。
入院していた家族の方が9月に復帰した場合など、青色専従者であれば2ヶ月働けば要件を満たしますが、白色専従者は控除することができません。

なお、青色申告を選ぶと、この専従者給与以外にも多くの特典があります。
特典もチェックしてみましょう!

同一生計・専従者がかかわる、所得控除での要件

では、用語の意味が分かったところで、所得控除について要件をまとめた表を見てみましょう。
分かりやすいのか、分かりにくいのか?分からない表になってしまいましたが・・・
下の表の見方は、例えば、

雑損控除について

・自分の資産に損害を受けた場合
・同一生計の配偶者で所得が38万円以下の方の資産に損害を受けた場合
・同一生計の親族で所得が38万円以下の方の資産に損害を受けた場合
に自分の所得税の計算をする時に控除することが出来ます。
注)同一生計で扶養に入れる所得の要件が付いています。

生命保険料控除は、

・自分が保険金等の受取人になっている保険料を支払った場合
・配偶者が保険金等の受取人になっている保険料を支払った場合
・親族が保険金等の受取人になっている保険料を支払った場合
に自分の所得税の計算をする時に控除することが出来ます。
注)親族が受取人なら、同一生計でなく所得がある人の分でも控除できます。

寄付金控除は、

・自分が特定寄付金を支出した場合に
に自分の所得税の計算をする時に控除することが出来ます。

また、寡婦(寡夫)控除は、要件の中の条件について「扶養親族」があることが必要な場合、よって、女性で特定の寡婦控除・男性の寡夫控除の適用の有無を判定する際に出てきます。

という風に組み合わせて要件を確認します。

自 分配偶者親族※同一生計親族所得要件専従者除外事  由
雑損控除
 誰所有の資産について対象になるか
資産に損害を受けた場合
医療費控除
 誰の医療費か?
医療費を自分が支払った場合
社会保険料控除
 誰の社会保険料か?
社会保険料を自分が支払った場合
小規模企業共済等掛金控除共済掛金等を支払った場合
生命保険料控除
 誰が受取人の保険契約か?
保険料を自分が支払った場合
地震保険料控除
 誰が所有する資産についての地震保険か?
地震保険料を自分が支払った場合
寄付金控除特定寄付金を支出した場合
障害者控除所得税法上の障害者に当てはまる場合
寡夫(寡夫)控除
 扶養親族の要件
特定の寡婦控除及び寡夫控除
勤労学生控除一定の学生の場合
配偶者控除配偶者がいる場合
配偶者特別控除所得が38万円超121万円以下の配偶者がいる場合
扶養控除扶養している親族がいる場合
基礎控除居住者の場合

※ 配偶者以外の親族です。

<要件の説明>
同一生計 :同一生計であること
所得要件 :所得金額が38万円以下であること
専従者除外: 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。


上の表を見ると、医療費や保険料など(物的控除といいます)は、専従者に関することは全く気にする必要がありませんが、配偶者控除や扶養控除など(人的控除といいます)、自分以外の親族に関する控除は、専従者については受けることができません。

なお、物的控除についても、同一生計の人の分のみ適用があるものと、生命保険料控除のように別生計でもOKなもの、医療費控除や社会保険料控除のように、所得がある親族のものでも自分が支払えば控除になるものなど、微妙に要件が異なりますので、注意深く判定をしてみましょう!

分からなくなった場合は、それぞれの所得控除の説明に戻って再確認してみて下さい。

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税理士:よしだ(さじ妻)

九州北部税理士会所属。佐治税理士事務所の所属税理士で、代表の妻です。 税理士業界歴は20年、平成17年5月に吉田税理士事務所を独立開業、平成21年に夫の佐治税理士事務所と合併しました。 試験合格科目である所得税・法人税そして消費税を中心に、事業に関する税務や経営のアドバイスを得意としています。

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